子どものほっこりエピソード【先生の香り】

保育

これは5歳児クラスを担任していた頃の話です。

【香り】にとても関心をもつDくんは、日常の中で気づいた香りを保育者や友だちに積極的に発していました。

例えば、雨が降って草木や砂などが雨に濡れた園庭の香りや粘土の香り、七夕の日に用意した笹の香りや絵本や紙芝居を閉まっていた本棚の香り、絵具の香りやクレヨンの香り等、身近なものの香りに気付き、「先生!ここなんか匂いがする!」「なんか、いつもと違う匂いがするなぁ。」等と伝えていました。

ちなみに給食やおやつの香りが漂ってくると「給食の匂いしてきたよ!美味しい匂い!!」など自分が感じた香りを「美味しい」という表現する姿もあり、クラスでは他の子どもたちも混ざって一緒に「なんの香りかなゲーム」が流行ったりしました。思い返せばこれも食育の一つですね。

そんなDくん、月曜日の朝出勤したばかりの私に抱き付き「おはよう!」と挨拶をしてくれました。

そしてエプロンに顔を埋めて「先生、良い匂いがする〰!」と笑顔で一言。

私は「洗い立てのエプロンの洗剤か柔軟剤の香りに気付いたのかな?」「良い匂いって嬉しいなぁ、、」と心で思った瞬間、、、

「先生、お芋の匂いがする!!!(にっこり)」

まさかでした、、、私はその日お芋を食べていません。その時は洗剤や柔軟剤の香りではなく、お芋の香りと聞いて少しだけショックな気持ちもありましたが、“お芋”というなんとも具体的な香りの表現が楽しくなってDくんと笑い合いました。

香りへの興味関心が深まっていった初期の頃のDくんは「なんか匂いがする。」という気づきから、少しずつ様々な香りを知り言葉で表現していく経験を通して、感じた香りを形容する姿が見られるようになってきました。

その形容も「パンが焼けた美味しい匂い!」等と、具体的な表現から「○○ちゃんの匂いがする!」といった抽象的なものもあり、子どもの豊かな想像性や表現力を感じ面白く思いました。

今になってみると、もっともっと対話を通してDくんの感じたことを一緒に共感できたらよかったなぁと悔しい気持ちもありますが、当時の保育士3年目の私は、Dくんの頭の中では様々な香りがどんな風に描かれているんだろうと想像するだけで、Dくんとちょこっとでも心を通わせていたように感じています。

最後に“お芋”つながりで、おすすめの歌を紹介します。「やきいも、やきいも、おなかがグー♪」とで始まる【やきいもグーチーパー】という歌をご存じでしょうか。保育園でも毎年必ずと言っていいほど秋口には歌い始め、親しみのある歌です。グー、チョキ、パーの手指使いも子ども発達には欠かせません。保育士さんにはメジャーすぎる歌です。保育士を目指されている方にも大変おすすめです!

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